私がSNSを始めたのは、中学時代頃でした。その時はMixiやGREE、モバゲーといったSNSが大流行していて、周囲の友達はみんなどハマり。クラス中、普段の会話もそのことで持ちきり。
最初は本当に楽しく感じました。普段会えない人ともコミュニケーションを取れたり、何気ない呟きがみんなに評価されたり、気がつけば私もSNSの中毒性にハマっていったのです。
でも、TwitterやFacebook、インスタグラムなどのSNSでは、「バカ」「死ね」「消えろ」など誹謗中傷した言葉や、「生きたくない」「死にたい」などの自分の価値を下げるような言葉が溢れています。
少し何か発信すれば、周りの人はすぐにそうした心ない言葉を口にしたり、他の人に合わせて自分の意見を変えてみたり。
日常生活ではありえないほど、人の言葉に敏感に反応してしまったりと、まるで別の自分がいるみたいに感じていたのです。
「こんな自分はいやだ」と思い、SNSを何度も退会しましたが、気がつけばまたダウンロードして再スタート。私はSNSに疲れているのに抜け出せなくなっていました。
今回は「SNS疲れから抜け出したい」「Twitter、Facebook、Instagramをやめたいけどやめられない」と悩んでいる人に、抜けられない理由や抜け出す方法をご紹介します。
実は多くの人がSNSに依存し、ハマっている
「SNSに疲れているのにやめられない」と悩んでいる人の中には、自分だけの問題ではと感じている人もいるかもしれません。
しかし、SNS依存という問題は、とても根が深いもので、知らないうちに依存している人が多いのです。子供から大人までも、人に指摘されるまでSNSにハマっている自覚がない人もいます。
なぜここまで、根が広く深い問題になっているかというと、実生活のあらゆる場面にSNSが入り込み過ぎているからです。
例えば、「有名なSNSといえば?」と聞かれれば何と答えるでしょうか?多くの人は、TwitterやFacebook、 Instagramなどと答えと思います。
でも実は、以下のものは全てSNSと呼ばれるものなのです。
- TikTok
- YouTube
- LINE
- mixi
- Yay!
- スナップチャット
- 地域特化sns
ほとんどの人が連絡手段として使っているLINEや動画を見るためのYouTubeなどのSNSの枠組みの中に入れられます。
SNSなしでは生きていけないほど、私たちの生活に入り込んでいるのがよく分かります。そのため、止めることが容易でないのも頷けますね。
日本人の多くは「きずな依存」をしている
ネット依存にはいくつかのタイプがあります。オンラインゲームに熱中してしまう「ゲーム依存」、動画コンテンツの視聴時間が長い「コンテンツ接触依存」、オークションや課金ゲームに没頭する「ギャンブル系参加型アプリ依存」、そしてSNSを長時間利用してしまう「きずな依存」の4つです。
男女に限らず20代のほとんどの人はソーシャルメディアを利用していて、その中でも「きずな依存」に当てはまる人は多くいます。
ソーシャルメディアはどこにいても人とコミュニケーションを取れるので、孤独感を一時的に癒せたり、話す楽しさをすぐに味わえることができます。
一人で寂しい夜も、誰かに話したいことができた時も、いつでも手軽に話すことができるSNS。それがTwitterやFacebook、 InstagramなどのSNSに依存してしまう原因なんですね。
SNS疲れしてしまう理由は「人のペースに合わせてしまう」から
もしSNSがすごく楽しいもので、自分にとって便利だとしたら、皆さんは「Twitterをやめたい」「Facebook抜けたい」「Instagramを退会したい」などと口にすることはなかったでしょう。
このページにたどり着いたということは、SNSに疲れ、魅力を感じなくなったからという方が多いかと思います。
なぜ私たちはTwitterやFacebook、 InstagramなどのSNSに疲れを感じてしまうのでしょう。
世界三大心理学者のアルフレッド・アドラーは「人の悩みの全ては対人関係にある」と答えています。その節の通り、私たちがSNSに疲れてしまうのは人間関係に原因があります。
友人や恋人、家族、会社の同僚、部下、上司と物理的に距離はあっても、SNSを通して常に隣にいるようなものです。現代人ほど、本当に一人の時間を作ることができない時代はないでしょう。
また特にSNSの世界は人の考えを直接的に表現されるので、時には目を塞ぎたくなるような内容が書かれていたりします。
そうした人との距離感が近すぎること、人間の欲に溢れた汚い言葉に常に接してしまうこと、そしてそれらに自分を合わせてしまうことがSNS疲れしてしまう大きな要因と言えるでしょう。
SNSに依存と判断できる明確な基準はない
現在、SNS依存と判断される世界的に認められている診断基準はありません。それはDSM(アメリカ精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル)やICDー10(WHOの疾病及び関連保険問題の国際統計分類)も含めどこにも。
SNSと心の関係についての研究は進んでいるのですが、SNSの過剰な使用によって精神疾患を誘発したり、日常生活に支障をきたしているかのデータがまだ足りないので、判断ができない状況にあるのです。
例えば、SNSを毎日5時間は見ている人でも、日常生活は何の問題なく過ごせていたり、SNSを通じて自分のビジネスを成功させている人もいます。
実生活において睡眠も食事も取れていて、人間関係も良好であればSNSに依存していると判断しづらい。そうした現状もあって診断基準が確立できていない状況にあるんですね。
ただしWHO(世界保健機関)やICD(国際疾病分類)が、長くから問題視されていたゲーム依存を診断基準に含めたのが2018年ごろと考えると、SNS依存も近い将来、精神疾患の一つとして数えられるかもしれません。
SNSを見すぎているかはYoung20を参考にしてみよう
上でお話ししたようにSNS依存しているかどうかを判断する、世界共通の診断基準はありませんが、今回は研究などで使用されているYoung20という診断基準をご紹介します。
Young20はSNSのみならず、ショッピングやオンラインゲーム、ネットサーフィンなども含めたネット依存に関する診断基準です。
この診断基準をベースに、東京大学がSNSへの依存度を研究している“SNS依存とSNS利用実態とその影響”という論文もあるので、SNSに依存しているか心配な方は参考にしてみるのもいいでしょう。
以下が、Young20の診断基準の20項目になります。
Youngの20項目
- 気がつくと、思っていたより長い時間ネットをしていることがありますか
- ネットを長く利用していたために、家庭での役割や家事(炊事、掃除、洗濯など)をおろそかにすることがありますか
- 配偶者や友だちと過ごすよりも、ネットを利用したいと思うことがありますか
- ネットで新しく知り合いを作ることがありますか
- 周りの人から、ネットを利用する時間や頻度について文句を言われたことがありますか
- ネットをしている時間が長くて、学校の成績や学業に支障をきたすことがありますか
- ネットが原因で、仕事の能率や成果に悪影響が出ることがありますか
- 他にやらなければならないことがあっても、まず先に電子メールやSNSなどをチェックすることがありますか
- 人にネットで何をしているのか聞かれたとき、いいわけをしたり、隠そうとしたりすることがありますか
- 日々の生活の問題から気をそらすために、ネットで時間を過ごすことがありますか
- 気がつけば、また次のネット利用を楽しみにしていることがありますか
- ネットのない生活は、退屈で、むなしく、わびしいだろうと不安に思うことがありますか
- ネットをしている最中に誰かに邪魔をされると、いらいらしたり、怒ったり、言い返したりすることがありますか
- 夜遅くまでネットをすることが原因で、睡眠時間が短くなっていますか
- ネットをしていないときでも、ネットのことを考えてぼんやりしたり、ネットをしているところを空想したりすることがありますか
- ネットをしているとき「あと数分だけ」と自分で言い訳していることがありますか
- ネットをする時間や頻度を減らそうとしても、できないことがありますか
- ネットをしている時間や頻度を、人に隠そうとすることがありますか
- 誰かと外出するより、ネットを利用することを選ぶことがありますか
- ネットをしていないと憂うつになったり、いらいらしたりしても、再開すると嫌な気持ちが消えてしまうことがありますか
「ネット」というところにSNSの含めて考えると、どれくらいの項目が当てはまるでしょうか。多くに該当しているならば、それはSNSに依存し過ぎている状態にあるのかもしれません。
もし、睡眠や食事など日常生活で支障をきたしてきていたら次の方法を試して、SNSから抜け出してみましょう。
SNS疲れから抜け出す!Twitter、Facebook、Instagramなどをやめる5つの方法
SNS依存から抜け出し健全にSNSと暮らしていく方法として5つご紹介します。
これらを実行することですぐに抜け出せるというわけではありません。実際にスタートし、SNSをやめることができるまで少し時間が必要でしょう。
しかし続けていれば、いつかSNSに依存せず日常生活を送ることができます。
1.SNSデトックスの日(SNSの安息日)を作る
一つ目は、月一、週一、あるいは毎日、この時間帯はTwitter、Facebook、Instagramなどを使わないようにすることです。
「なるべく見ないようにしよう」ではなく、「この時間は絶対に開かない!」という気持ちで行う必要があります。いわば、脱SNSのハッピーアワーみたいなものです。
単純なことですが、やはりわざとそうした時間を作ることが抜け出すのに最も効果的な方法になります。
もはやスマートフォンなどのデバイスを一切持たずに外へ出かけてしまうのも一つの手段ですね。
自分自身が、お医者や社長のような緊急性を要する仕事についていない限り、1日にデバイスを保持していなくても実は問題なく過ごせます。
手元にあれば使ってしまうので、持たずに外出してしまえば、もはやそのことについて考えることもなくなるでしょう。
2.打ち込める趣味を見つけ、SNSを使える時間を潰す
皆さんはどんな時にTwitterやFacebook、InstagramなどのSNSをみてしまいますか?
SNSを見てしまうときは、特に何もやることがない暇なときであることが多いです。
その時間に、打ち込めるようなことをすれば、SNSを見る時間を減らし、疲れを軽くすることができるしょう。
趣味と言っても様々なものがあるかと思いますが、「いつでもどこでもすぐにできるもの」を念頭に考えることをお勧めします。
例えば、テニスを趣味にした場合、道具や場所が必要になりますよね。しかし、それらを用意するには少し時間がかかるでしょう。そうした空き時間があると、私たちはついSNSをみてしまいます。
読書などスマートフォンでSNSを開くのと同じくらい手軽にできる趣味であれば、依存から抜け出すことができるでしょう。
3.TwitterやFacebook、Instagramなどから退会する
きっぱりやめてしまえば、SNSに時間や気持ちを使う必要がなくなります。
しかし、仕事での付き合い、友達とのコミュニケーション方法など連絡手段の一つとしてやめることができない人もいるでしょう。
そうした場合この方法はあまり有効でないかもしれません。もし「別になくても困らないな」と少しでも思った方は、一度退会してみることをお勧めします。
各SNSの退会方法
ツイッターアカウントの削除方法
https://help.twitter.com/ja/managing-your-account/how-to-deactivate-twitter-account
Facebookアカウント停止方法
https://ja-jp.facebook.com/help/140385309472068
Instagramアカウント削除方法
https://www.instagram.com/accounts/login/?next=/accounts/remove/request/permanent/
4.SNSを使う目的を考えてみること
SNS依存してしまう一つの原因、それは「なんとなく見てしまう」ということ。
情報が次々と更新されていくSNSは、ジェットコースターのように目まぐるしく私たちにドキドキやわくわくを与えてくれます。
何か目的を持つことなく見ていると、私たちはその流れを止めることができず、いつの間にか時間が過ぎ去ってしまう。
何のためにSNSをしているのかを今一度見直すことで、それ以外の情報には触れないようにすれば、コントローラは自分の手の中に握られます。
5.SNSをすぐに開けないようにする
時間を制限したり、目的を決めたりしてもついつい見てしまうことは何度もあるでしょう。
それは、見たいと思った瞬間にすぐに開ける利便性が要因としてあげられます。わざとログアウトする、開く前にパスワードを入力するなど。使う前に一度立ち止まる瞬間を設けることが大切です。
フリーダムというアプリがあり、一定時間、指定のサイトへのアクセスを制限してくれます。
またブラウジング自体をできなくする機能もあり、私たちが無駄に時間を消費することを減らしてくれます。
現在、Windows/Mac/Android/iOSで機能するので、ほとんどのデスクトップ、ノートパソコン、タブレット、携帯電話で使うことができます。
自分で調整することが難しいという人はこうしたアプリを使うことも一つの手段となるでしょう。
PC版では無料のものがあり、2サイト以内であればアクセスをブロックすることができます。
ただし、スマートフォンなどのモバイル機器上で使うには有料版をダウンロードする必要があります。
しかし、SNS中毒から抜け出すため、作業の生産性を上げるためには、決して高いものではないでしょう。
SNSを自分でコントロールすることが大切
SNSはすぐに世界中の誰とでも繋がれる大変便利なツールだと言えるでしょう。
しかし、そうした光の部分とは反対に影の部分、いわばデメリットのようなものが存在します。それはSNSへの依存となって、時には私たちの日常生活に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。
インターネット、ゲーム、SNSなどどんなものも私たちがしっかりと自分で管理し、コントロールすることが大切です。
コントロールするためには、自分がどれだけ使っているのか、しっかりと目にすることが必要になるでしょう。
皆さんお手持ちのスマートフォンには、どんなアプリをどれだけ使っているのか知ることができる機能があります。
例えば、iPhoneだとスクリーンタイムというもの。
それらを使い、一体自分がどれほどの時間をSNSなどに割いているのかを1日、一週間、1ヶ月ごとに確認し、しっかりと数字として減らしていくことが大切です。
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