気がつけば朝の4時。日が少しずつ登り始め、窓の外から部屋の中に、明かりが入ってくる。
夜、ベットに入って何度も目を閉じたけど、一向に寝られない。朝刊を配達するバイクの音、スズメやカラスの鳴き声も聞こえてきた。
眠らなきゃと頑張ってみたけれど、そうするほどにどんどんと目が冴えてきて、結局寝られずまた1日が始まっていく。
こんな感じで私は、2〜3日間くらいほぼ一睡もせずに仕事に向かう時がありました。
「夜眠りたいのに、寝られない」。同じような悩みを持っている人は他にもいることでしょう。
OECDという国際機関の調べによると、日本の睡眠時間の短さは世界でもTOPクラスだそうです。
特に、女性の睡眠時間は短くて、年代的には40〜50歳頃の方があまり寝られないと言う結果になっています。
女性も含め、日本人の睡眠時間の短さは、国レベルでも検討される大きな問題。その解決のために、厚生労働省は、睡眠に関しての報告書を出しているほど。
ここでは「夜寝られない」「寝る方法」などと調べている人に、私が実践してみた眠る方法や習慣を紹介します。うまく寝られない人はぜひ試してみてくださいね。
夜寝られないのはなぜ?眠れない原因6つ
夜寝られない人の原因を探ると、次の主に6つに分類されます。
- ストレス(悩み事・考え事をしてしまう)
- 体内時計や生活リズムの崩れ
- 寝るときの環境がよくない
- 寝る前に刺激物を摂取している
- 加齢による体の変化
- 心や身体の病気
これらの中で当てはまるものはあるでしょうか。その要因を一つ一つクリアしていき、よく眠れる体作りをすることが大切なのですが、「今すぐ眠りにつきたい」という方もいるでしょう。
「今すぐ寝られる方法」を探している人は、下の方にその方法を書いておきますね。よければ確認してください。
ただし、全員がその方法で寝られるというわけではありません。大事なのは、眠りにつく体を徐々に作っていくこと。
たとえ、今すぐ寝られなくても「そんな日もある」と割り切って気楽に過ごす方が実は寝られるようなったりしますよ。
まずは焦らず、それぞれの原因を詳しく知って、自分に合った眠る方法を見つけていきましょう。
1.ストレスは一度外に書き出しておこう
寝るときに何か心配になってきたり、悩んできたりして、それを寝ながら考えようとするとどんどん寝られなくなることがあります。
「寝られない」ということに対しても焦りを感じてきて、そこでも悩み始め、負のループに陥るタイプの人も多いです。
まずは切り替えること。
「寝られないけど、眠らなきゃ」とベットで横になっていても頭が働いてしまい、なかなか眠りにつくことができません。むしろ、ベットが眠れない場所として、頭にイメージが残ってしまうことがあります。
寝られないのであれば、「そういう気持ちの日だから仕方がない」と割り切って、ベットから抜けみましょう。
その時、もしなにか悩み事とか考え事をしているのであれば、一度全部紙に書き出してしまうことをお勧めします。
そしてそれらは、「また朝になったら考えよう」と思い込み放っておくこと。
あなたにとって深刻な問題かもしれませんが、寝ながら考えている時ほど良いアイデアは浮かびません。起きてきている時にちゃんと考えられるように、今は紙に何を考えたいのかを書いておくことです。
そうやって頭の中のものを外に出したり、落ち着いてできること(掃除や読書など)をすることで頭の中を真っ白にしていきます。
その状態に近づくことで、良い眠りにつくことができるようになるでしょう。
2.体内時計や生活リズムの崩れはお日様が重要
現代では働き方が多様化してきて、昼夜問わず働けるようになってきました。
夏はエアコンの風にずっとあたり、コンビニは24時間開いていて、スマホを開けばすぐに好きな映像を見れたり。
私たちの身の回りには、生活リズムを崩してしまう要因があふれています。
便利なものばかりですが、私たちは日頃の行動に気をつけて体内時計や生活リズムを治していないと、眠る方法を探してもすぐに元通りになってしまいます。
体内時計や生活リズムを整えるのにまず大切なのは、いつ日光を浴びるかです。
人間の体は、日光を浴びてからおよそ14時間から16時間後に眠くなるようになっています。
とりあえず朝起きたらカーテンを開けて、日の光を感じてみる。この習慣から始めていきましょう。ちなみに、これは雨や曇りでも大丈夫ですよ。
3.寝る環境を整えること
人によって眠りやすい環境がありますが、一般的に音や光、気温、湿度が睡眠に対して影響していると言われています。
それぞれで自分にとって心地の良いものを探して、眠りやすい環境を作っていきましょう。
例えば、小さな音で眠りやすい曲をかけておく。暖色系のライトで、部屋を薄暗く照らしてみる。エアコンは常につけて、暑くも寒くもない温度・湿度を朝まで保っておく。
細かいことですが、こうした一つ一つの微調整が、深い安眠につながります。
特に夏は暑いからエアコンをつける人がほとんどだと思いますが、電気代節約のためにオフタイマーを2時間くらいで設定する人もいるかもしれません。
しかし、途中で温度が変化し、寝ている環境が変わってくると寝苦しさが生まれ、途中で覚醒し、起きてしまいます。そのため、エアコンは朝までつけっぱなしにしておきましょう。
眠りとは環境を安定させることが大切です。部屋の変化を少なくすることが、良い眠りへとつながります。
また、もし眩しすぎないで防犯上も問題がないのであれば、カーテンを10センチ程度開けておくことがおすすめですよ。
朝になり太陽の光が入ってきた時に、その明るさで心地の良い目覚めになりますし、体内時計も整えることができます。
4.寝る間の刺激物は避けて
「寝る前にコーヒーを飲んではいけない」このことは誰しも知っていることでしょう。
コーヒーやエナジードリンクのようなカフェインを含む飲み物を飲むと、脳が覚醒し、眠りにくくなると言われています。
カフェインは飲んでから大体30分後に効果が現れ、6時間ほどは持続すると言いますので、パワーナップなどの昼寝をする時にはとても効果的です。
しかし、夜しっかり眠るときは、逆効果になってしまいますので、夕方ごろからカフェインの多いものの摂取は控えてほうが良いでしょう。
また飲み物だけ注意するのではなく、食べ物にも気をつけたほうがいいことがあります。例えば、就寝3時間前までには食事を済ませておくことが理想とされています。
寝る直前に食べ物をお腹の中に入れることで、内臓が消化作業を行い、体の深部の温度が上昇し眠りを妨げてしまうからです。
しかし、仕事や家事、塾の帰りなどで、どうしても食べる時間が遅くなることもありますよね。
そうした時は、下の料理を避け、なるべく消化に優しいものを食べるのがおすすめですよ。
寝る前に避けたほうがいい食事
- とんかつ、唐揚げなどの脂っこい食事
- 唐辛子やニンニクなどの刺激の強い食事
- アルコール類
- コーヒー、濃いお茶などのカフェイン入っている飲み物
こうした料理を避けて、スープや味噌汁、うどん、春雨などの消化に優しいものを食べるといいでしょう。
また、分食(ぶんしょく)という、食事を2回に分ける方法を取り入れてもいいかもしれませんね。
夕方に一度軽くおにぎりなどを食べ、夜にまた軽食を取ることで、お腹も満たされ、それほど胃腸に負担をかけなくて済みます。
胃腸に優しいもの、分食などを取り入れ、食事から眠りやすい体を作っていくといいでしょう。
5.加齢により眠りにくい体になっている
年齢を重ねてくると、一回の眠りが浅くなったり、短くなったりします。実際に睡眠時の脳波を見てみると、若年者に比べ高齢者はノンレム睡眠(深い眠り)の時間が短く、また何度も覚醒状態に入ってしまいます。
これは睡眠に関係する神経やホルモン分泌が低下してくるためだと言われています。
また、高齢になってくると社会活動から遠ざかり、日中動くこともなくなってくるため、必要な睡眠時間も減少していきます。
これらの要因もあり、加齢によって眠りにくくなってくるんですね。
6.心や身体の病気
6つ目は身体や心の病気が要因で、夜寝られなくなってしまうパターンです。
実は眠りに関する病気、いわば睡眠障害というものにはいくつかの種類があり、それによって治療法も異なっています。
主な睡眠障害
- 不眠症(入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害)
- 過眠症
- 概日リズム睡眠障害
- 睡眠時随伴症
- ナルコレプシー
- 睡眠時無呼吸症候群
- 睡眠相遅延症候群
これらの症状の原因には、身体的、精神的なものが大きく関わってきます。そのため、自助努力だけでは、なかなか改善しにくいこともあるんですね。
寝つきが悪くなる、いつも早朝に目覚めてしまう、昼間に気がついたら居眠りしていたなどの状態に悩まされている方は医療機関での受診をお勧めします。
特に、その問題が1ヶ月以上続き、日中の活動や社会生活に影響を及ぼしている場合だと早急にお医者さんに相談したほうがいいでしょう。
眠りを専門とするクリニックもあるので、ぜひ活用してみてくださいね。
眠り専門のクリニック
https://www.sleepmedicine-tokyo.com/
質の良い眠りを手に入れるポイント
夜寝られない原因を知って、そこからの改善を行いましょう。それらを解決し、その上で眠りの質を高めていくことで、よりスッキリと目覚めることができるようになります。
良い眠りを手に入れるために必要なのは、「リラックスすること」と「眠りやすい環境を作ること」の2つが大切です。
日中活動時に活発に働いている交感神経を沈め、副交感神経を優位にすることで人間はシームレスに眠りに入っていけるのです。
今日はその中でもリラックスする方法をご紹介します。
夜寝られない時にオススメのリラックス方法6つ
1.ぬるま湯に浸かる
お風呂や温泉に浸かると、「ふぅ〜」っと脱力することがあります。
身体が温められ、血流が良くなり、全身に血液や酸素が巡ることで、全身の緊張が和らぎます。
また水圧によって、身体へ圧がかかり、マッサージされてるのと似たような状態になります。
こうした状態から、私たちはお風呂や温泉に入るとリラックスすることができるんですね。
ただし、お湯の温度が42度以上になると、交感神経が活発化し、エネルギッシュで元気いっぱいな状態になってしまいます。
お風呂に入る時は38度から40度くらいのぬるま湯に30分ほど浸かるのがオススメですよ。
2.手軽なアロマを探す
実は、私たちが寝ている時も嗅覚は働いています。
なので、寝ている人にラベンダーの香りを嗅がせると、副交感神経が高まり落ち着きがますという研究結果もあるほど。
逆にワサビや唐辛子の刺激的な匂いを嗅ぐと、目が覚めてしまったり…。
手軽に買えるアロマを使って、副交感神経を高めれば、落ち着いて質の高い眠りにつくことができるでしょう。
眠りたい時に使える落ち着く匂い・香り
- ラベンダー
- サンダルウッド
- ベチバー
- シダーウッド
- ベルガモット
- メリッサ
これらのアロマオイルは、入浴時に入れたり、ルームスプレーにして部屋に振りかけたりしても良いですね。
3.頭を冷やしてみる
蒸し暑い夏の夜、考え事をし過ぎて頭がいっぱいになっている時、私たちの頭は熱を帯び、なかなか眠れなくなります。
頭寒足熱。頭は冷やし、身体を温めることがよく眠れる秘訣です。
夜寝られない時は、氷嚢や冷えピタシート、アイス枕などを使って前頭葉を冷やすと良いでしょう。脳の活動が低下して、頭が休まり落ち着いた状態になります。
ただし、冷やし過ぎには注意。
気持ちいいからといってずっと頭を冷やしていると、今度は目が冴えてしまう原因にもなってしまいます。
頭を冷やして、落ち着いてきたと思ったら、外していつも通り寝る体制に入るとちょうど良いですよ。
4.音楽やリズムを聞く
スムーズに眠りに入るために大切なことは、頭の中で考え事をしないことです。
音ひとつない静かな部屋でずっと目を閉じていても考え事が止まらなくなって寝られない人もいます。
そんな人のために、音楽を入眠導入として使用するのをお勧めします。
何か音を聞いてる時に、その音だけに集中して、考えることをやめていく…。
音を聞いて、ただそれを感じることだけをしていくと、頭の中は真っ白になっていき、やがて眠りにつくことができます。
そこで、寝る時に最適な音楽は、なるべく声がなく、意味を感じないものがオススメです。
言葉が入ってくると、どうしてもそれに意識を向けてしまったり、意味を考えてしまったりします。そのため、眠る時にはクラシックやピアノなどの音がいいですよ。
私はいつもYouTubeで下のような音楽を聴いてぐっすり眠ります。
皆さんもぜひ自分にぴったりの音楽を探してみてくださいね。
5.夜眠りにつく前にリラックスのツボを押す
夜寝られない時は、不安解消やリラックス効果を促すツボを押すのもオススメですよ。
ツボを押すことで、身体が刺激され、それぞれのポイントに合わせた効果があると言われています。
そのため、よく眠りたい時には下のツボを押してみましょう。
- 労宮(ろうきゅう)
- 失眠(しつみん)
- 百会(ひゃくえ)
- 完骨(かんこつ)
- 安眠(あんみん)
それぞれのツボに関しての詳しい情報は、こちらのページをぜひ参考にしてみてください。とても詳しく参考になります。
夜寝る前の30分〜1時間前にツボを押すと良いと言われています。照明を落としたり、落ち着ける場所ですると、さらにリラックスすることができるでしょう。
押しながら深呼吸をして、程よい気持ちよさで行うことがツボを押すときのコツです。
6.全身の力を抜き取り、入眠に向けてリラックスする
落ち着く姿勢とり、呼吸を整えることで体をリラックスさせることができます。
その方法としてヨガなどの動きを取り入れることもありますが、ここではより簡単にできる筋弛緩法(きんしかんほう)という方法をご紹介しますね。
アメリカの内科・精神科医であるジェイコブソン博士が考案したもので、正式には漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)と言います。
簡単にいうと、目をつむり、筋肉に力を入れ、その後開放して緩めるという動作を繰り返すことで、全身をリラックスさせていく方法です。
人は緊張したり不安を感じたりすると、自然と全身に力が入っている状態になります。この状態が続くと、脳も休めず、なかなか入眠することができません。
そこで筋弛緩法を取り入れることで、筋肉、全身、脳の力を開放し、リラックスさせて眠りやすい状態を意図的に作ることができるんですね。
その流れについて、下の動画がわかりやすく説明してくれるので、参考にしてぜひ夜寝られない時に試してみてください。
良い眠りのために日頃からの習慣に気をつけよう
入眠薬などを使わない限り、すぐに一瞬で寝ることは難しいことでしょう。
上で紹介してきたいくつかの方法は、試してみると寝れることももちろんありますが、やはり良い眠りのために何よりも大切なのは、日々の習慣です。
小さなことの積み重ねがよく寝れる秘訣であり、質の高い睡眠を続けることができるようになるんですね。
簡単なことかもしれませんが、今一度下のチェックボックスを見て、自分の行動を振り返ってみましょう。
夜眠る前に気をつけるべき行動リスト
- ブルーライトを発する製品を寝る30分前は使わない
- 就寝3時間前までに食事をすませる
- 日中に運動などで体力を使っておく
- 起きている時間を安定させる
眠るためには落ち着くことが鍵
なるべく早く眠るためには落ち着くことが肝心です。
「夜になっても寝られない」「寝てもすぐに起きてしまう」などと焦っていても、眠ることはできません。むしろ、そうやって焦ることで、さらに眠れない状態が続いてしまいます。
だからこそ、今は落ち着きましょう。リラックスしましょう。
もし寝られないんだとしても、それは仕方ありません。そんな日もあると、気持ちに区切りをつけた方がその後眠りにつきやすくなります。
ずっとベットにいなくとも、寝られない時はそこから離れて読書したり、あるいは外に出てみるなど、落ち着いて過ごせる時間を作るようにしてみましょう。
そうやって過ごすことで、今までみたいにしっかりと寝れるようになる日がきっとありますよ。